第64章 彼女はひどく怯えた

傍らの数人がわっと泣き出し、そのままストレッチャーを押しながらエレベーターへ向かった。

高橋裕也は腕の中の小柄な女を一瞥し、冷えた声で言う。

「十四郎、出てこい」

安藤美咲をどれだけ怯えさせたと思ってる。

十四郎はふてぶてしく出てきて、眉をつり上げると、裕也の腕の中の女を横目で見た。

「こいつのせいで俺は散々だったんだ。ちょっと脅してやっただけ。まさかこんなに脅し甲斐がないとはな」

柳林隼が拳を振り抜き、十四郎の体に叩き込む。

「十四。動物用の薬って、どんな気分だ? いっそおまえんちのポポも一緒にやっちまえばよかったのにな」

その言葉に十四郎がぶち切れた。顔色が一気に沈み、拳...

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