第65章 試練

「安藤美咲。十四郎は死んでない。おまえを驚かせただけだ」

 そう言うと、高橋裕也はスマホを取り出し、十四郎に電話をかけた。ほどなくして、相手が出る。

「裕也、俺に会いたくなったか?」

 妙に気障ったらしいあの声が響いた瞬間、安藤美咲にもそれが十四郎だとわかった。

 ぱっと目が明るくなる。

「十四郎、生きてたの? よかった……本当によかったです」

 十四郎はすぐに察した。裕也が安藤美咲と一緒にいるのだと。くつくつと喉の奥で笑う。

「美咲ちゃん、今日はひどい目に遭わせてくれたな。こっちは石みたいにカチカチになって大変だったんだ。ちょっと驚かせたくらいで、これでおあいこだろ」

 安...

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