第66章 彼は気にしない

光は空のコップを手に取り、勇はそこへ勢いよく注いだ。量は半分ほど。

「高橋おじさん、お水飲んで」

光がコップを目の前へ置くと、彼はふっと口元をゆるめた。いかにも人当たりのいい笑顔だ。

高橋裕也はそのコップに目を落とす。水ならもう一杯あるはずだ。いったい、どういうつもりだ?

疑問はありつつも、目の前のイケメンな小さな二人に視線が行く。どこかで見たような気がするのに、思い出せない。

そのとき、勇の冷えた小さな声が響いた。

「高橋おじさん、これはうちの決まりです。どうぞ」

脇で絵里が、大きな目をぱちぱちさせている。

「お兄ちゃん、どんな決まり? 絵里、知らないよ?」

イケメンおじ...

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