第73章 君が逃げるのが怖い

「いいわよ。あの人たちにも少し急がせて、できるだけ早く手術を受けられるようにして」

 安藤美咲はふっと笑った。白石蘭にも、ようやく希望が見えてきた。先の見えなかった毎日に、やっと光が差した気がした。

 男が二階から下りてくる。耳に届いたのは、彼女の弾んだ笑い声だった。

 高橋裕也は足音を殺し、気づかれないよう一段ずつ階段を下りる。

 そのまま聞こえてきたのは、仕事探しの話。それに、昨日見た彼女の動画のことも思い出した。

 あの娘、まさかペットショップで働いていたとは。しかも、ペット先生の制服まで着ていた。

 似合わない。まるで、らしくなかった。

 あの仕事を失ったのも、ある意味...

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