第98章 高橋裕也が好きなのは君だ

安藤美咲は高橋グループを出るとタクシーを拾い、病院へ向かった。苗子の好きなスイーツをわざわざ買い、白石蘭には化粧品のセットまで用意して。

病室に入ると、苗子は点滴の最中で、もう眠っていた。

白石蘭もベッドの脇に突っ伏したまま寝ている。安藤美咲はそっと毛布を取り、彼女の肩にかけてやった。けれど蘭の眠りは浅い。ふわり、と体が温まったのを感じたのか、すぐに目を開ける。

この二年、ずっとそうだった。子どもに何かあったらと怖くて、ほんのわずかな物音でも起きてしまう。

白石蘭は手を上げて頬をぬぐい、「美咲ちゃん、来てたの?」と掠れた声で言った。

安藤美咲は毛布をきちんと巻き直してやる。「眠いな...

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