第20章

電話を切った後、加藤大輔は長く息を吐いた。

高橋義信は確約こそしなかったが、彼が出向いてくれるなら、海浜市での人脈を考えれば、この件は間違いなく解決するだろう。ただ、いくらの金がかかるかという問題だけだ。

加藤大輔が前を見た時には、もう加藤龍平と赤木玉里の姿は見えなくなっていた。

赤木玉里は加藤龍平を連れて高級アパレルショップに入った。たちまち多くの店員や客の視線を集めた。

このような場所では金持ちが愛人を連れ、セレブ女性が若い男を連れ歩くのは珍しくないが、赤木玉里のようにセクシーで美しいセレブ女性は稀だった。そして、加藤龍平のように端正な顔立ちでありながら男らしい野性味を持ち、しか...

ログインして続きを読む