無力だ

アリアナは王よりも先に目を覚まし、自室へと向かっていた。その直後、朝食に呼ばれた。王もいるだろうと期待していたが――裏切られる結果となった。

『愛してる』

昨夜、彼女が心から口にした言葉。今もまだ、両腕が彼を抱きしめているかのような感覚が残っている。彼は、自分たちの会話をすべて覚えているだろうか? 彼女がいなくて寂しかったこと――そして、二人のための道を見つけると約束したことを。

アリアナは深呼吸を一つすると、王の私室へ向かうことに決めた。

「王は中にいらっしゃいますか?」彼女は肯定の返事を願いながら尋ねた。

「はい、奥様」衛兵が答え、アリアナは一瞬もためらうことなく中へ足を踏み入れ...

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