116。王国のお酒

「……そういうわけで、彼は月界を攻撃したのです」

「ええ。それに、これから先はかなり厳しいことになると思うわ。私の民の存在は、もう広まり始めている頃でしょうし、すぐに……彼らを狩る者たちが現れるはずよ」セレーネは恥じるようにうつむいた。

「王にはすべてお話ししたの?」アリアナが尋ねた。

「ええ、すべて。ジャリックから聞かされたこと、一つ残らず」セレーネは深く息を吸い込んだ。「……私の女神の居場所も、この二十一年間、私が何をしていたのかも」

すべてを明かさなければ喉元に剣を突き立てると、王は脅した。それは決して虚仮威しではなかった。

セレーネが今も生きているのはアリアナのおかげ、ただそ...

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