18。確かにその1つ

彼の腕の中、その堂々とした体躯とは対照的に、彼女は小さく、か弱く見えた。ダンカンは自分が呟いた言葉に眉をひそめた。

この女は一体何者だ? まさか……。

いや、それなら気づくはずだ。その兆候も、引力も、陶酔も、すべて知っている。俺の心が彼女に惹かれているのではない。俺の内にいるライカンだ。欲望に駆られ、彼女を丸ごと喰らい尽くしたいと渇望している。彼女を愛でて守るのではなく、猛り狂って奪い去ろうとしている。

答えがあるはずだ。いつだって答えはあった。だが……。

彼女の頭がわずかに横に傾いたとき、ダンカンは目を細めた。最初は見間違いかと思った。薄暗い光と影のせいだろう、と。しかし、さらに目を...

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