187。デッドホープ

真夜中、ライラが眠っていると、ドアの外で何かがパチパチと弾けるような音が聞こえた。眠りの浅い彼女は、すぐにぱちりと目を開けた。

彼女の部屋は、厳重に警備された一画にあった。部屋を出ると、まず四方を囲む分厚い鉄格子があり、その向こうにはさらに独房へと続くもう一つの障壁が設けられている。そこは厳重に施錠され、昼夜交代で屈強な兵士たちが見張っていた。

ベッドから降りてドアを開けると、太い鉄格子の向こうに見知らぬ男が立っていた。

男がゆっくりとフードを外して顔を現すと、ライラはその見覚えのある顔を無表情に見つめた。

「君がライラ・グレイストーンか」と男は言った。

「そしてあんたは、使節卿の一...

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