19。大胆な旅

「生きてる」

「生きてない」

「生きてる」

「生きてない」

ライラは退屈そうな表情で植物から最後の一葉をちぎり取った。そして溜め息をつくと、それをぽいと投げ捨て、明るい空を見上げた。

小鳥のさえずりが聞こえ、涼しい風が肌を撫でる。美しい朝だったが、彼女の心を蝕む不安を和らげてはくれなかった。

「アリア、生きてるの?」ライラは口の端に葉を一枚くわえながら呟いた。「あなたを見つけるために貯金を全部使い果たしたんだから、生きててもらわないと困る――だって、もし死んでたら、私が殺してやる」

「お嬢様」下からライダーが彼女を見上げて声をかけた。「準備ができました」

ライラの顔に小...

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