197。日の出までに

事実、月の領域はすでに、ライラがウロボロスによって連れ去られた痕跡を発見していた。

兵士を召集すべく、書簡が各地に送られた。戦争が始まろうとしている。

「愉快じゃないか? 衝撃的だろう? 見事なものだ」ヴァロレスは不気味に笑った。「あの愚か者どもは、我々の領域に足を踏み入れ、我々のものを奪い、逃げおおせるとでも思っているのか? 否。奴らを足元で踏み潰し、ライラを始末し、アリアナを始末し、ウロボロスという言葉を存在そのものから消し去ってくれる」

彼はワイングラスを掴むと、ゆっくりと一口飲み、それからロダリックに冷たい視線を投げかけた。

「あの臭いクソッタレどもを見つけ出したと、そう言え」...

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