20。なぜ痛いのか

アリアナは何度も瞬きをした。どうか目の前に立っているのが王ではありませんように、と必死に祈りながら。

あの深い黄金色の、琥珀のような瞳が、刃のように彼女を貫き、その場に縫い付けた。

口は半開きのままだが、言葉は出てこない。まるで口の使い方を忘れてしまったかのようだ。その間にも王は一歩、また一歩と近づき、二人の距離を詰めてくる。彼の香りが、彼女の全身を包み込んだ。

アリアナは凍りついたまま、その視線に完全に心を奪われ、囚われていた。

『喋りなさい、アリアナ! 何か言うのよ!』

「はい」

『違う! ああ、もう、アリアナ、あんた正気なの!?』

相手は王なのよ!

「い、いえ……おはようござい...

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