221。シャックルズ

イヴォンヌが赤ん坊をヴァロレスに渡して調べてもらおうと緊張していたその時、ノックの音がして衛兵が一人、部屋に入ってきた。その声には切迫感が滲んでいた。

「閣下。竜の領域へ派遣された戦士たちが帰還いたしました」

ヴァロレスが興味深そうに耳をそばだてた一方、イヴォンヌは密かに安堵の息を漏らし、赤ん坊を抱き寄せた。

ヴァロレス卿は一瞬の無駄もなく、兵士たちに会うために部屋を出た。廊下を抜けながら、その足取りは焦りを帯びている。彼は勢いよく扉を開け放った。

ロダリックの姿を期待していたが、代わりに待っていたのは年老いた人狼の戦士だった。ダマリスもまた、急いで駆けつけた様子で姿を現した。

「...

ログインして続きを読む