24。不思議な能力

「脚を開け」

その言葉に眠りから揺り起こされ、アリアナは顔をしかめた。

太腿に手が触れられたのを感じ、意識がはっきりした。記憶が蘇り、彼女はカッと目を見開いた。

「離して!」彼女は叫び、体に絡みつく腕を振り払った。

必死に辺りを見回す。そこは冷たく空っぽの独房だった。隅で燃える小さな火だけが、唯一の光源だ。

「どうしてこいつが目を覚ますんだ? 深く眠るはずだって言ったじゃねえか」サー・オリオンがサー・ゼファーに唸るように言った。

「吸い込む量が足りなかったのかもしれません」ゼファーはそう答えると、再び彼女の脚を掴み、引きずって自分の下に押さえつけた。

アリアナはもがいたが、彼の力...

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