251。全部燃やせ

アリアナはさらに歩を進め、完全に月明かりの中に姿を現した。

「銀髪の悪魔について何か言っていたわね?」アリアナは優しく首を傾げた。「ええ、その本人がここにいるわ」

ダマリスは身を硬くした。彼の背後にいたはぐれ者の軍勢はざわめき始め、無意識に身じろぎし、中には渇望に唇を舐める者もいた。

何しろ満月だ。衝動が理性を打ち負かすこともある。

だが、目の前に立つ見覚えのある女性の背後にある物語を知る者たちは、息を呑んだ。

「前回、あなたが言ったことを覚えているかしら、ダマリス? 王は私を守ろうとして我を失ったと。あなたは月の領域を守ると誓ったと。この領域にはもっと相応しい者がいる、そして私、ア...

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