252。大人になったら

北翼では、クリムゾン・パックが襲撃予定の群れリストに名を連ねていた。先のウロボロス戦争でヴァロレスを欺いた兵士たちのおかげで、彼らは早期に情報を入手し、即座に計画を練り上げたのだった。

「信号です。奴ら、間もなくここへ来ます」と、一人の兵士がファルコンに告げた。

ファルコンは頷き、壁から降りると門へと歩み寄った。ちょうどその時、門が開かれ、エリスが荷車を引いて馬で乗り込んできた。

「武器は十分か?」と彼が尋ねる。

「ああ。大地を悪魔の血で染め上げるには十分な量だ。だが、武器だけじゃない――人も連れてきた」エリスはそう答えると、ファルコンに視線で合図し、後から入ってくる次の馬を見るよう促...

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