266。王になるには

ライラが追いつき、全員に聞こえるほどの大きな声で言った。「戦闘アリーナよ。十分後。今日は広い場所を使うわ」

「でも、まだ飯も食ってないんだけど」カルは唇を尖らせた。

「好都合だ。その分、身軽に動けるだろう」ライラはそっけなく言うと、もう通り過ぎていく。

カルは彼女が行くのを見送り、それからエシャラの方を向いた。「なあ、俺がなんでドラゴンの領域に高飛びしなかったか、もう一回教えてくれよ」

「私に会えなくて寂しくなるからでしょ」エシャラはこともなげに言って、先に歩き出した。

カルは笑いで肩を震わせた。「寂しい、だと? お前は俺をサンドバッグみたいに扱ってるくせに」

「彼女と結婚すればいい」レアルが...

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