ハンサムな主との契約

翌朝

食事の香りが近づいてくるのを感じ、ライラの頭がはね上がった。侍女が食事の盆を持って独房に現れたのだ。

ライラの腹が応えるようにぐぅと鳴った。

看守が扉の錠を開け、侍女を中に入れる。

空腹でたまらなかったものの、あの美貌の領主様が本当に食事を運ぶよう命じてくれたことにライラは驚いていた。

侍女は盆を彼女の前にそっと置いた。まだ部屋に閉じ込められていた時に食事を運んできたのと同じ侍女だ。看守は意味ありげに首を振ってから独房を出て行った。

ライラは食事を引き寄せ、一口食べた。

「イケメン様は罰として私を餓死させるつもりかと思ってたのに」もぐもぐと口をいっぱいにしながら彼女は呟いた。「意外と不...

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