37。予測不能な運命

またしても悪夢が彼を苛んだ。

咆哮、恐怖の叫び、炎、騒乱――そのすべてが暗闇の中で彼を追い詰めてくる。

ダンカン、逃げて!

母の恐ろしい形相が脳裏に閃く。その傍らに立つ父、ライカンの王は、すべての希望を失っていた。かつての厳格で、大胆で、冷静だった表情は、純然たる絶望と苦悶に取って代わられていた……。

その瞳は罪悪感に満ちていた。戦争を終わらせることができず、民を守れなかったことへの罪悪感に。

そして、ダンカンは赤を見た――目の前で二人を飲み込んでいく、炎の色を。

「やめろぉぉぉっ!!!」

______

低い唸り声が胸の奥から響き、ダンカンは悪夢から覚醒した。浴槽の中で勢いよく...

ログインして続きを読む