44。戦士になること

ライラは兵舎に足を踏み入れた。緊張と興奮が一度に押し寄せてくる。

彼女は小さく微笑み、太陽の下で懸命に訓練に励む戦士たちを眺めた。剣がぶつかり合い、火花を散らす。戦士たちの瞳は決意に燃えていた。

大勢いる戦士たちの中に、女性はほとんどいなかった。二人、いや、たった三人だけだ!

女性は主に子を産むための存在、家にいて子孫の世話をするための妻と見なされていた。か弱く、守られるべきものだと。

だが、ライラが夢見るのはそんな人生ではなかった。姉が国を治める傍らで、自分は戦場に立ち、民を守るために戦いたかった。

そう考えただけで、体の隅々にまで静かな充足感が広がっていく。

彼女は手の中の巻物...

ログインして続きを読む