47。突然の満月

「大祭典では何かなさるのですか?」廊下で金の燭台を磨きながら、侍女の一人がブリギッドに尋ねた。

「別に。私はただ、闘技大会を見るのが待ちきれないだけ。各パックから最強のアルファたちが競い合うって聞いたわ。あなたは?」

年下の侍女はくすりと笑い、花の飾り付けを直した。「私はワインを運んだり、お客様のご機嫌を取ったりで大忙しでしょうね。王はすべてを完璧にとお望みですから。特に、大勢の重要人物の目が注がれるとなれば」彼女は声を潜めた。「それに、ヴァルキリー嬢が皆の前で王の番、そして大妃として戴冠され、印を刻まれるという噂も聞きました」

「その噂、もうずいぶん前から広まっているわね」ブリギッドは...

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