48。森の中の怪物

声がする。一つ、二つ……いや、もっと多いかもしれない。

数秒が経ち、声はゆっくりと鮮明になっていく。

「もう雨が降らなさそうでよかったな」と、一人が言った。

「ああ。シェルターの材料は無駄になるだろうがな」もう一人がそう返した。その聞き覚えのある声に、アリアナの瞼がゆっくりと持ち上がる。

ぼやけていた視界が晴れ、緑の草と土、そして木々が映る。体は痛み、頭はぐらついて、何が起こったのかを思い出そうと必死になる。

自室で侍女が持ってきた食事をとっていた。だが、食べた後、体が熱くなった。手足から力が抜け、助けを呼ぶ間もなく床に崩れ落ちたのだ。

そして今、彼女はここにいる。どうやら誰かに薬...

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