52。隠れた痛み

ブリジッドはライラの顔を壁に叩きつけ、押さえつけた。ライラは歯の間から息を漏らす。

ブリジッドはにやりと笑った。「動きが鈍くて弱々しいじゃないか。まったく、こんなザコ、何の苦労もなく潰せるね」

ライラは顔に走る痛みを無視して鼻で笑った。「私がウルフを手に入れるまで待ってくれたらどう?」

「ウルフがいないってことは、戦士の器じゃないってことだよ!」ブリジッドは吐き捨てた。

ライラはブリジッドの脇腹に肘を叩き込んだ。相手の拘束が緩んだ隙に、顔面へ拳を繰り出したが、その攻撃は受け止められてしまう。ブリジッドはライラを肩越しに投げ飛ばし、床に叩きつけた。

「私の方がお前より強い。お前じゃ私に...

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