69。王の向こう側

「楽しそうだな。その顔がこの先も続くことを願うがな」と、ルーカスが言った。

ライラは満面の笑みを浮かべ、深々とお辞儀をした。「ありがとうございます、偉大なるルーカス様!」

ルーカスの表情は、石のように硬いままだった。「自室に戻れ。訓練が始まったら知らせる。だが、今は……」彼は彼女に短剣を投げ渡し、ライラはそれを素早く受け止めた。「それに慣れろ。学び、習熟し、それがお前の一部となるまで極めるのだ」

ライラは微笑みながら短剣を見下ろし、その細部までじっくりと目で追った。上質で鋭い月鋼(ムーンスチール)でできており、柄は黒革で巻かれている。少し重いが、十分に練習を積めば、手の中で軽く感じられるように...

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