73。ダンス・ウィズ・ザ・ファイア

黒曜山

「砦ではなく、なぜここにいるのです?」エヴェローラは、ナイラに着付けを手伝わせながら尋ねた。

「今夜、様が筆頭預見者をお務めになると伺いました。お力添えが必要でしょう。それに、お会いしたかったのです」

「私一人で大丈夫ですよ、ナイラ。他にも色々と手伝ってくれる侍女はいますから」エヴェローラはそう言うと、クロークのもう片方の袖に腕を通した。

「ですが、わたくしほど様のことを理解している者はおりません」

エヴェローラは鼻を鳴らした。「あの子はどうです?」

誰のことを言っているのか察したナイラは答えた。「今のところは良い方です。悪い気は感じません」彼女は深いため息をついた。「王は...

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