84。私を罰して

「信じて。彼の名に冠された『冷酷』という言葉は、伊達じゃないわ」

アリアナは自室を行き来しながら、唇をきつく結んだ。あの光景――血、悲鳴、苦痛の叫び、そして純然たるおぞましさ――そのすべてが一度に彼女の心を駆け巡った。

そう、ダンカンが冷酷だとは知っていた。だが、今夜それを目の当たりにした感覚は……奇妙だった。

恐怖を感じるべきなのか、それとも興味をそそられるべきなのか。感情がごちゃ混ぜになっていた。

今、彼女の心はセレーネへと向かっていた。侍女頭の彼女は、二十一年もの間、王の目の届く宮殿で正体を偽り、多くの秘密を隠してきた。

二人ともウロボロス。何世紀も前にライカンと敵対...

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