第105話その冷たい指

サルギス

すべてが展開していくのを、ただ見つめていた。脈は鈍くのろい歩みに落ち、まるで目の前で起きている途方もない出来事に、身体のほうが追いつけていないかのようだった。不信が冷たい指でうなじを押さえつける。

母――かつてナリネを真正面から見据え、あれは私の玉座に、私にふさわしくないと裁いた同じ女。二度と感情に判断を曇らせるなと私に言い聞かせた、その同じ女が、踵を返して歩みを戻した。

彼女のもとへ。

母がナリネの前で足を止めた瞬間、胸の奥で心臓が跳ね上がった。鼓動は激しく、磨かれた大理石の壁に反響しそうなほどだ。

私は動かず、椅子に硬く座り、王の威厳という仮面を被ったままでいた。そうせ...

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