第十八章 KC2

彼は、私の隣に立つ少女――ソラヘネスのほうへと移った。

やはり、そうだ。

彼が手を差し伸べても、もう驚きはしなかった。掌を上に向けた、あの優雅で、せかされることのない所作で。

ソラヘネスは細い指を、私の胃がきりきりと捩れるほどの気品で彼の指の間に滑り込ませた。彼はほとんど目に見えないほど小さく頷き、彼女をそっと列の外へ導く。

意味なんてない、と自分に言い聞かせた。

まだ、あと一人選べるのだと。

けれど胸の奥では、すでに心が沈みはじめていた。希望の縁が、胸の内で硝子みたいにぱりぱりと裂けていく。

そして――。

彼が、私のほうを向いた。

視線が交わった瞬間、ほんの刹那だけ、以前と...

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