第120話燃え盛る蛾

サルギス

夜はようやく、そしてありがたいことに、ほとんど終わりを迎えていた。

神々よ、感謝する。

いま、十人が一列に並び、俺の前に立っている。仮面を外した顔はシャンデリアの光を受けて、眩いほどに浮かび上がっていた。

そして、その向こうには――

期待と好奇、羨望、承認、憶測。そうした視線の海が広がり、磨き上げられた無数の面に反射して、千の鏡となって俺へと返ってくる。

俺はゆっくり息を吐き、痛みが骨の奥へ沈んでいくのを感じた。刺繍を施した絹をまとった貴族たち、儀礼の色を身に着けた評議会の面々、同盟する各領から来た使節――その群れへ視線を走らせる。

そしてナリネ。ほかの者たちから少し離れて...

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