第16話子守唄のように

ナリーヌ視点

彼の背後で扉がかすかな音を立てて閉まり、ようやくそこで、私は息をすることを自分に許した。

私はもう一本、バナナに手を伸ばす。歯を立てた瞬間、さっきと同じ、甘くて鮮烈な味が舌の上でぱっと弾けた。バナナがこんなふうに感じられた記憶はない。熟れて柔らかく、妙に心をほどく味。たぶん、飢えと点滴の生活から「本物の食べ物」へと引き戻された、その落差のせいだ。

けれど食べ物はすぐに消える。安らぎは、なおさらだ。そして再び部屋に沈黙が満ちると、覆い隠されていた現実が容赦なく戻ってきた。

ここでは、落ち着けない。

私はこの金色の檻にいるべき人間じゃない。寄生虫にすぎない。アマはいつもそう...

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