第185話始まりだけ

あの頃ずっと――自分の影につまずき、引き裂くような記憶に縛られ、手放せない幽霊を掴んでいたその間じゅう、サルギスは私と、この腐臭のする現実とのあいだに立つ壁だったのだ。何度も思い返す。過去が現在に滲み出して血を流していた夜々、悲嘆が喉に巻きつき、掴み続けるべきか放すべきかで引き裂かれていたあのとき、彼はすでに、私が集まりつつあることすら気づかなかった嵐に身を固めていた。私は壊れたままにしがみついていたのに、彼はこの王国の縁で忍び寄る毒に対する防壁として立っていた。あのときの私は見えていなかった。見たくなかったのかもしれない。瓦礫の中で生き延びることに呑まれ、砕けた欠片をひとつひとつ縫い合わせる...

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