第192章さようなら

カロンは、先ほどよりも柔らかな気配で小さくうなずいた。「繁栄というものは、黄金だけから生まれるのではない。善意からも生まれるのだ」そう続ける。「その両方を祖国へお持ち帰りください、殿下方。そして、ここに植えられたものの根は、きっと豊かに伸びていく」

続いて一歩進み出たのはフェンザだった。山の民の長老は、年齢を感じさせぬほどしなやかに歩み、節くれ立った手を上げる。風に運ばれる石のように低くざらついた声で、彼女は高峰の言葉による祝福をささやいた。意味を理解できた者はほとんどいなかったが、その抑揚そのものが重みを帯びていた。

カイエンは杖をわずかに持ち上げた。「歴史は今日を記すだろう」と宣言する...

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