第201章安全性

ハスミクの手が、私の手を上から締めつけた。

ぎくりと身をすくめた。彼女に掴まれていたことすら気づかないまま、私は前へと引きずられていたのだ。

必死にまばたきを繰り返す。そうすれば視界を覆う恐怖の膜が剥がれるかもしれない、そんな気がして。

戦争。

その言葉が太鼓の連打みたいに頭蓋の内側で脈打ち、悲鳴や刃のぶつかる音、倒れていく身体のひとつひとつに重なって反響した。戦争は、アヴァリンの教えの中で私が鍛えられてきたものではなかった。どれほど「平静」を叩き込まれても、戦争は優雅な型でも、計算された抑制でもない。混沌だ。顔や髪に浴びた血が、唇にべたついて張りつく。

飲み込んでしまおうとした。彼女に...

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