第214話スニーキング

数時間が過ぎ、シャンデリアは滲みはじめていた。ひとつひとつの水晶が、熟れすぎた果実みたいに金色の光をしたたらせている。拍手、乾杯、そしてまたしても続く要人たちの行進――こわばった笑みと香水の匂う手。騒音が頭蓋の内側に押しつけられ、私は自分の息の味さえわからなくなりかけていた。広間の向こうでサルギスがこちらを見た。口元がわずかに傾く、そのささやかな合図だけが警告で、次の瞬間、彼の指がテーブルクロスの下で私の指の間に滑り込んできた。

「もう限界か?」彼が囁く。

「とっくにね」私は息で返し、すでに笑いをこらえるのに必死だった。

楽団が銀色のワルツを紡ぎ続けるあいだに、私たちは抜け出した。罪悪感...

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