第219話ライカンキングの秘蔵ルナ

サルギス視点

彼女の隣に腰を下ろし、オーロラが折りたたまれ、またほどけていくのを眺めていた。まるで天そのものが生きていて、溶けた墨のような色彩を星の織物へと流しこむみたいに。空は、人間の絵描きには決して写し取れない色で燃えていた。紫が翡翠へ溶け、金が蒼へ滲んでいく――けれど、そのすべてでさえ、隣に座る彼女の静かな驚きの前では色褪せた。彼女はバナナをもぐもぐと噛み、いつも隠そうとする小さな半笑いを浮かべていた。僕が気づかないと思っているのだろう。だが、僕は気づいてしまう。いつだって。何もかも。

神々よ、どうか助けてくれ。目を逸らせなかった。空からも、闇を縫う火の川からも――ただ、彼女からだけ...

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