第24章気が遠くなるような実現

ナリネ視点

車での移動は穏やかだった。

不思議なくらい、心が静まった。

私たちのあいだの沈黙は、恐れていたように息苦しいものではなかった。

……むしろ、癒やしに近い。

たぶん飴のせい。たぶんエンジンのやさしい唸りのせい。あるいは窓の外で、木々が緑と金色の滲みに変わって流れていく、そのせいかもしれない。それでも彼の存在は近すぎた。私の安心できる境界の端を、じわりと押してくる。触れてもいないのに、彼の腕の熱が私の脇腹にまで滲み出してくる気がして、彼の呼吸のひとつひとつまで意識してしまう自分が嫌だった。

けれど私は動かなかった。耐えた。手の中の包み紙がかさりと鳴る音、舌の上でほどける冷た...

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