第32章嵐の前の静けさ

ナリネ視点

時の流れが、いまは違って感じられた。遅いわけでも速いわけでもない。ただ……静かだった。ぬるい湯が骨の奥へ染み込むみたいな静けさが、私の内側に入り込んでくる。

すべてが変わってから、さらに二か月半が過ぎていた。

私が叫び、声を取り戻してから。温かいミルクの上にそっと感謝を落とし、沈黙の内側に口づけて、誰かが隣にいてもいいと許した日から。

サルギス。

私たちは、いまはずっといい場所にいる。完璧ではない。でも近い。私が想像したこともないほどに近い。

私は彼と話すようになった。話したいときには自由に。話したくないときには静かに。彼はそれ以上を求めて押してくることは一度もなかった...

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