第35話未知へのダッシュ

ナリネ視点

「いい? まずはレッド・レースに突撃。春の新作が出たばっかで、コルセットがもう……死ぬほど最高。で、次はミラのとこ。だってさ、あんた、ちゃんとしたジーンズが必要でしょ? 腰からずり落ちるようなのじゃなくて。そんで最後はルージュ。あそこのワンピは私が保証する。もし出てくるときに本物の女神みたいになってなかったら、私、自分のヒール食べるから」

ハスミクの声は勢いの止まらない熱狂の奔流で、言葉が私の理解を追い越してどんどん溢れていった。

反論なんて許さない、と言わんばかりの自信がそこにはあった。

私はただ静かにうなずき、宮殿の最後の階段を下りきると、石造りの中庭を横切って車庫へ向か...

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