第39話臆病者のように

ナリネ視点

さっきまで眠っていたはずなのに、次の瞬間……私は宙にいた。

引きずり上げられたのだ。

そっと持ち上げられたわけでも、やさしく起こされたわけでもない。

違う。引きずり上げられた。まるで穀物の袋みたいに乱暴に。

見知らぬ手が脇の下と膝裏をがっしり掴み、私は朦朧としたまま手足をばたつかせた。恐怖が四肢を暴れ回る。

「ちょっと、ちょっと!」叫んだ。「下ろして!」

男は眉ひとつ動かさない。腕は鋼みたいで、移動する間も容赦なく締めつけてくる。私は弱々しく蹴ったけれど、まるで効かなかった。まともに食べてもいないし、休めてもいない。残っていたアドレナリンも、みるみるしぼんでいく。放り込まれた頃...

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