第40話さっさと行け!

サルギス視点

ブーツが舗道を踏んだ瞬間から、俺は立ち止まらなかった。

彼女はその場に凍りついたように立ち、風が髪を引き、恐怖で見開かれた目をしていた。俺は彼女との距離を詰め、吐息が触れるほどの近さにまで迫る。胸の奥で心臓が戦太鼓みたいに鳴り響いていた。

俺は彼女を腕の中に包み込み、ほっと息をついた。

驚きで彼女の体は強張り、それから俺に身を預けるように力が抜けた。俺は顔を彼女の髪に埋め、息を吸い込む。まるで、長いあいだ奪われていた酸素をようやく取り戻したみたいに。片手で後頭部を支え、もう片方は背骨に沿ってやさしく滑らせた。

「無事で……よかった」荒い声でそう呟く。指先が、彼...

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