第51話ライト・オン・ザ・リップ

ナリネ視点

どういうわけか、サルギスに「セックス相手」がいると聞かされても、自分がどう感じればいいのかわからなかった。

しかも、その女がいま宮殿の中にいるという。

その言葉だけで、胸の奥の柔らかいところをざり、と削られた気がした。

セックス相手――あまりにも生々しくて、機能的で、情がない。

別に、禁欲しているはずだなんて思っていたわけじゃない。ライカンの王ならなおさらだ。この場所では性交は軽いものだった。アルファや戦士のあいだでは、ほとんど儀式のようにさえ扱われる。次の月の出まで生きている保証すらない世界で、快楽は切迫したかたちで、ためらいも言い訳もなく貪られる。

そんなことは、ず...

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