第60章時が来たら

サルギス視点

ありがたいことに、朝食は終わった。

俺はナリネの手を指ごと包み、離さなかった。彼女がほとんど食べ物に手をつけなくても、ずっと握ったままだった。彼女はただつつくように箸を入れ、皿の上のものをあちこち押しやっている。まるで並べ替えさえすれば食べる気になれる、とでも思い込もうとしているみたいに。だが、結局は食べない。ほとんど、何も。

それに、彼女が何度も背筋を伸ばそうとしているのが見えた。少しずつ、一寸ずつ、自分を崩さないよう必死に繋ぎ止めているみたいに。

俺はため息をついた。母は……まったく、神よ。

アヴァリンは多くの顔を持つ。聡明で、狡猾で、敬われてもいる。だが、ひとつだけ決定...

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