第62話オニカ

サルギス視点

食堂へ戻るなり、ハスミクとルペルクスの匂いを辿って大きな主居間へ向かった。顎をきつく噛みしめる。そこには、まるで俺が必死に守ろうとしてきたものの下に火薬の導火線を仕掛けたばかりだという事実など存在しないかのように、ハスミクとルペルクスが寄り添って丸くなっていた。

「ハスミク!」

自分でも思った以上に鋭い声が飛び出した。

彼女はびくりとして、背筋を伸ばして座り直す。だがルペルクスは眉ひとつ動かさず、腕は相変わらず彼女を抱き締めたままだ。

「失望した」俺は部屋の奥へ歩み入りながら言った。「お前ほど、この場で彼女がどれだけ危うい立場にいるか分かっている人間はいないはずだ。それ...

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