第70章自然ではない

サルギス視点

俺は彼女をじっと見ていた。盤上で次の一手を読み取ろうとしていたからじゃない。……ただ、どうしようもなかったのだ。

ナリネは、生き生きとして見えた。いたずらっぽく目を細め、唇の端をくいと上げて笑う。胡坐をかき、膝に肘をついて身を乗り出し、完全にゲームへ没入している。

彼女には、ある種の輝きがあった。どんな王冠も宝石も敵わない光だ。しかも、それがどれほど稀なものかが、いっそうそれを尊くしていた。笑みを浮かべてもすぐに隠してしまわない彼女を見ること。楽しんでいても、扉を警戒したり、誰かの裁きを身構えたりしていない彼女を見ること。

それが俺の胸の奥を、いちばんいい痛み方で疼かせた...

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