第75話手放すのは難しい

ナリネ視点

口にした言葉は、どれひとつとして本心じゃなかった。

それらはガラスの破片みたいに口から零れ落ち、私たち二人を切り裂いた。それでも私は、わざと落とした。

彼に、私を憎んでほしかったからだ。

憎んでくれれば、前に進める。憎んでくれれば、私を探しに来ないかもしれない。きっと、ようやく手放してくれる。

私は彼の顔を見た。

そして――神様……その重さに、膝が折れそうになった。

彼の目は壊れていた。ただ悲しいのではない。壊れている。砕け散っていた。中に残っていた最後の灯りまで吹き消されたみたいに。

息ができない気がした。彼の痛みが肋骨に巻きついて、ぎゅうぎゅうと締め上げ、内側のものが全部ひ...

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