第9章私はシレリ

サルギス視点

王宮侍医とその一団が、彼女に診察を受けさせようと優しく宥めているあいだ、俺はなすすべもなく立ち尽くしていた。

だが、彼女は拒んだ。

彼女は身を丸め、小さな掌で耳をきつく塞いだまま、前後に揺れている。まるで世界そのものを遮断できるとでも言うように。その光景は、俺の内側の何かを粉々にした。ここまでの反応を引き出すほど、彼女は何をくぐり抜けてきた? 優しさに怯え、穏やかな手でさえ脅威に見えるほどの地獄を、どんなふうに生き延びた? 彼女が犯した罪があるとして、それがこんな残虐に値するものだったというのか。

苛立ちに指を髪へ突っ込み、重いため息が唇からこぼれた。

――もし、繁華街の...

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