第98章疑問と後悔

ほんの一瞬――胸をえぐるほど希望に満ちた、あまりにも短いその瞬間だけ――彼の中で何かがちらりと揺らいだのを見た気がした。気づき。驚愕。彼は顎をきつく噛みしめ、玉座の肘掛けを掴む手がわずかに動いた。

けれど次の瞬間、彼は視線を逸らした。

何事もなかったように。

私など、誰でもないみたいに。

まるで何も起きなかったかのように頭を巡らせ、私たちの視線など最初から交わっていなかったかのように、広間の向こうで銀の衣を纏う娘など、群衆に溶ける仮面の一人にすぎないかのように。

息を止めていたことに気づいたのは、胸が痛みだしてからだった。

瞬きをする。

一度。二度。

それでも、彼は振り返らない...

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