第二十三章

ヴァイオレット

その質問を投げかけられた瞬間、心臓が凍りついた。私がそう思わせるだけの理由を与えてしまったのは分かっている。でも、彼は本気で、私のことを、彼自身よりケイデンを信頼していると思っていたのだ。ケイデン……。

彼はそれでも怒鳴ったり、部屋を飛び出したりはしなかった。ただ、すでに答えを知っているであろう問いを口にしながら、私の瞳をじっと見つめていた。そのことが、私の心を打ち砕いた。

私が壊してしまったのは、くだらないルールや彼の約束だけじゃない。彼の信頼だった。そして、一つだけはっきりさせておかなければならないことがあった。この状況がどうにかなるまで彼が話したがっていないからではな...

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