第289章

ヴァイオレット

「これが何か、お分かりかな?」とヴァリウスが尋ねた。

私は頷いた。「はい」と囁く。「ええ、分かる気がします」

彼は温かい笑みを私に向けた。「ならば、お分かりだろう。何があろうと、いつでも私を見つけられるということを」

本当にこれを使って、ヴァリウスと話せるの?

聞きたいことは、まだたくさんあった。彼は何者なの? 本当はどこから来たの? 彼の物語とは? アエリウスじい様との関係は? 彼はじい様の名前を知っていた。

「長年待ち続けた末に、こうしてお会いできたのは、真に光栄なことでした、王家の伴侶殿」ヴァリウスは頷いた。

「そして、皇太子殿下も」

彼が手を差し出すと、カイランはそ...

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